Casey Caplowe(ケイシー・カプロウ)(GOODクリエイティブディレクター)
【プロフィール】

1981年生まれ。ブラウン大学卒。2つのアパレル関連のベンチャー企業を立ち上げた後『GOOD』に参加。ビジョン確立に参与しクリエイティブの責任者として、編集方針と雑誌のデザイン、ブランディングを手がけている。カプロウの構想のもとで『GOOD』は、優れたデザインと個性的なビジュアルによって、創刊した年に早くも全米雑誌賞にノミネート。ビジュアル・コミュニケーションに重点を置き、斬新なグラフィックを駆使して、データや情報を表現。またウェブ上でもインターアクティブな要素を取り入れたプロジェクトや、オンライン・ビデオの独特の作風をデザイン。またウェブサイト「good.is」のデザインリニュアール全体を指揮するなど、メディアを使った様々なプロジェクトを展開中。

good.is

Interview #011-2    2009年02月11日 曇り    @東京都港区/国際文化会館

ソーシャルインパクトを与え続けるメディアの可能性(part2)

2.人が集まることが一番大事。

―いま話があったようにムーブメントを起こしていくために何が必要ですか? 構想や既に取り組まれている具体的な活動などがあれば教えてください。

リアルでインタラクティブなコミュニケーションの"場"を創ろうとしています。ライブイベントなどで、人と人が実際に会う機会があるのはすごくパワフルですからね。確かにウェブなどを使えば同時に何百人の人と接することはできるのに対して、イベントはせいぜい50人ぐらいにしか訴求できませんよね。その意味でウェブの方が効率的に見えるかもしれません。でも私たちはそうではなく、その50人に会うってことはとっても意味があって、ウエブでは考えられないくらいインパクトを持っていると思っています。オンラインでディスカッションとかコメントをしあったりすることはできるけれども、新しいことをそこで始めるってことはなかなかできないですよね。でも、イベントでは今まで会ったことのない人たちがそこの場所で出会って実際に新しいことを起こしたりすることができるのですよ。だから、リアルのイベントというのはとっても"力"があると思っています。去年はアメリカ全土でおそらく15くらいのイベントを行いました。そのうち大きなものとしては、NYとサンフランシスコで1000人規模のパーティーを行ったんですね。サンフランシスコではストリートでやりました。ひとつのストリートを通行止めにしてそこで『GOOD』のイベントを行いました。とても楽しいものでしたよ。ビジネスやお店なんかを巻き込んでショーとかもやってストリートフェアみたいなことをしました。

それから私たちの会社の一階にはサロンがあって、そこでもパーティーとかしますね。例えば去年の12月には2週間毎日イベントをやりました。クレージーですよね(笑)。でも、すごく楽しかったです。オープニングナイトはパーティーをやり、それからは3回映画上映会をやりました。ただ白い壁に映画を映して椅子をたくさん並べ、その映画のディレクターや関係者を呼んで、その人たちが映画について話したり質疑応答したりしたんですよ。映画はドキュメンタリーで、政治についてとかアートについて扱ったものでした。それから2週間のパーティーの中ではパネルディスカッションをしたり、2日間かけてプレゼンテーション大会を行いました。プレゼンテーション大会では、7人のデザイナーが集まって、一人5分のプレゼンテーションを行いました。私たちはこうしたことは短くコンパクトにまとめるのがいいと思っています。全体で1時間20分くらいで終わりましたね。

-すごいですね。そうしたイベントは無料なのですか?

 『GOOD』にはスポンサーがついているので、イベントは無料で行っています。でも、おそらく将来的には有料のイベントもやっていけるかと思っています。『GOOD』では他にも色んなタイプのイベントをやっています。昼間にはワークショップをやったりしています。地元の人たちのガーデニングワークショップだったり、アートクラフトワークショップだったり、裁縫だったり。あと、週末のイベントではローカルワールドフェアというのをやりました。15人ほどの地元のクリエイターやクラフト系の人たちが自分たちの作品を展示したりするものです。作品は植物だったり枕だったり、小さなノートだったりするのですが、かっこいい(Cool)ですよ。時々はパートナーとして参加して、例えば本屋さんの中の一角でやったりします。絶対に言えることは、人が集まるってことはすごく大切なことだということですね。

-インタラクティブ性を考えていくと、『GOOD』とういメディアは必ずしも雑誌ではないほうがいいかもしれませんね。例えばウェブだとか。

確かにその通りです。ただ『GOOD』はもともと雑誌を作るというところから始まったのです。自分たちがやりたいことをしようと考えたときに、それが雑誌というアイディアでした。もともと最終的にはウエブサイトは重要だと思って、将来的にはもっとウェブサイトを充実させていこうと現在では思っていますが、その当時は競争も激しかったですし、また自分たちのアイデアもそこまでクリアではなかったのです。加えて創立者の一人のお父さんが雑誌をいくつか作っていた人でもあって、雑誌についての知識もかなり知っていたということもありました。何より私自身雑誌が大好きだったのです(笑)。もちろん今となっては雑誌というメディアを他の人には勧めませんけどね。とてもお金がかかりますから。でも私たちは雑誌を選択したことでビジネスが上手く行ったとも思っているんですよ。ニューススタンド(駅の売店みたいなところ)でいつも人目につくことで、ブランディングのツールとしても価値を発揮してくれました。おかげで早く。そして強烈に『GOOD』のブランドも確立できたと思っています。ウエブだったらこうは行かなかったと思います。その意味では雑誌の価値はありますね。

part3

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