
古田秘馬(株式会社umari 代表取締役/プロジェクトデザイナー)
【プロフィール】
東京都生まれ。慶応大学中退。 99年に様々なジャンルの若手を描いたノンフィクション作品「若き挑戦者たち」を出版。その後、雑誌ポカラのプロデューサーを経て、 2000年渡米、NYにてコンサルティング会社を設立。2002年より東京に拠点を戻す。現在は、山梨県・八ヶ岳南麓の『日本一の朝プロジェクト』、東京・丸の内の『朝EXPO in Marunouchi』、北海道・十勝の地域映画プロジェクト、食料自給率向上プロジェクトから、歌舞伎のブランディングなど、数多くの地域プロジェクトのプロデュースを行う。音楽面においては佐藤允彦氏、板橋文夫氏にピアノを師事。映画やCM音楽を手がけるほか、日本の聖地をテーマにした写真とのコラボレーションプロジェクト「primal gravity」を実施。
Interview #004-2 2008年12月17日 雨 @東京都千代田区/日比谷パティオ
この国のカタチをデザインしていく社会創造家の視点 (part2)

2,いま求められているこの国のグランドデザイン
-今までアーティストとソーシャルの関係の話をしてもらったのですが、そもそもアーティストがソーシャルな活動とは一致できるものでしょうか。
一般的にアーティストがお金のことが分からないといわれるけど、そういう金銭的な面も含めて、トータル的なことが分かっていないとアーティストとは言えないのではないかと思っています。全体が見えているヒトこそアーティスト。
かつて中国では芸術家でないと政治家にはなれない時代がありました。"政"には美意識が必要だからだと思います。その意味で、国づくりは究極のクリエイティブなんじゃないでしょうか。これも音楽の話で例えると、音楽家は自らの世界観を音の"ハーモニー"を生み出すことで表現をするわけです。これを社会規模に広げて考えてみると、どういうプランニングをすればこの国に"ハーモニー"が生まれるのかということになる。この"ハーモニー"を生み出すということにアーティストが興味を持つのは当然のことかもしれません。アーティストとソーシャルの接点はそんなところにあると思っています。
―そういったアーティストとソーシャルの接点をクリエイトしていくのがまさに社会創造家なわけですが、いまこの国に一番欠けているもの、課題は何だと思いますか。
先ほどハーモニーの話をしましたが、一言でいうと全体学というか、統合学のような発想が欠如しているように思います。全てが部分的というか、行政も学問も全て縦割りで細分化されているように感じます。いま大切なのは全体を統合デザインするという視点ですね。
これを国でいうとグランドデザインが必要になっているように思います。僕らは今の時代って明治維新の時代にすごく近いと思っているのですが、その頃でいうと坂本龍馬の船中八策のようなものが必要なのだと思います。
―今の時代を明治維新の時代と対比させるヒト多いですね。その中で秘馬さんの役割は坂本龍馬ということになるのでしょうか。
一概にそうは言えないかもしれないけど、ロビーイング的活動をやっているという意味ではそうかもしれませんね。龍馬を始めあの頃の脱藩の志士たちは、この国の未来を描きながら、江戸・京都・薩摩・長州などを行きしながら語ったり、時にささやいたりしながらこの国の流れを創っていったわけですよね。
今の自分の活動は、官民問わずいろんな立場の方々の間にたって行き来しながら、共通のビジョンづくりをしているわけです。その意味ではやっていることは、新しい時代を作るべく脱藩して日本を駆け巡っていた当時の志士たちと同じだと言えるのかもしれません。
そうした中で、大切なのは"思い"なんだと思います。立場や肩書きではない。官でも民でもどちらでもよくて、思いのある奴が自ら立って"やる"時代になってきたのだと痛感していますね。ロビーイング活動をしながら、思いのある奴をつないでいく、そんなことが今の自分の立ち位置だといえるのではないでしょうか。




