
藤倉潤一郎(プラットフォームサービス株式会社代表取締役)
【プロフィール】
1968年生まれ。早稲田大学に在学中、NTTキャプテン・システムの普及プロジェクトなどに関わり、1990年、株式会社ネクステージを設立し代表取締役に就任。以来、ユーザー参加型のメディア・システムの開発・運営・事業化を主な仕事とし、全国デジタル・オープン・ネットワーク事業協同組合代表理事、財団法人日本SOHO協会理事などを経て、2004年2月、プラットフォームサービス株式会社を設立し代表取締役に就任、『ちよだプラットフォームスクウェア』を開設し現在に至る。官民協働による公共施設運営のひとつのモデルとして地域の再生とまちづくりを実践中。2007年4月、内閣府より地域活性化伝道師を拝命、鶴ヶ島市協働政策幹に就任。
Interview #005-2 2008年12月23日 晴れ @東京都千代田区/ちよだプラットフォームスクエア
新しい公共空間、ソーシャルプラットフォームのデザイン (part2)

2.プラットフォームという"場"の重要性
―もともとITビジネスの世界にいた藤倉さんが、こうしたソーシャル分野に入っていったきっかけは何だったのですか。
もともと今のようなコラボレーションのための場づくりや、自由な働き方というのに興味がありました。私自身は特定なの専門技術や能力があるわけではないですが、いろんなところに自由に行き来しながら仕事を創っていくスタイルで働きたいと昔から考えていたわけです。そうした中でまず出会ったのがITであり、テレワークだった。
私が大学生の頃、周囲に150社位の学生企業が立ち上がったんですね。そういった連中と一緒にいろんなプロジェクト興しを始めたわけです。1995年頃には全国にITベンチャー、ネットベンチャーを立ち上げる仲間が増えてきた。そこで、そうした活動を加速する装置として全国デジタル・オープン・ネットワーク事業協同組合という団体を作りました。そこではインターネット上でお互いにコラボレーションできるような場づくりを目指していたわけです。ところがやっている中でお互い一緒に同じ場所を共有して、いろんなプロジェクト興しができるような、そういうリアルのプラットフォームが必要だということがわかってきた。そうした問題意識と、先ほどの千代田区の課題が結びついた。それがきっかけですね。
―"場"の重要性については、まちづくりの議論の中で必ず出てくることですね。実態はどのようにマネジメントされているのですか。
マネジメントについては三つの仕組みを用意しました。一つは、私が代表をやっています『プラットフォームサービス』という会社です。これは非営利型株式会社ということで作っています。非営利型株式会社とは正式に認められた制度があるわけではないですが、次の3つの特徴を持っています。1点目が理念規定を定款上に設けているということ。プラットフォーム機能を提供するまちづくり会社として社会の公器になるんだということを定款に定めています。2点目が剰余金で、私たちは剰余金を当会社の理念遂行のために再投資するものとすることにしています。3点目が残余財産で、解散した場は、資本金の額までは出資者の方にお返しをしますが、それ以外については、例えば区であるとか、同じような理念を持った組織に寄付するというように規定しています。
二つ目の仕組みは、『ちよだプラットフォーム運営協議会』という、任意の団体です。現在、施設利用者が250社位いますが、そのメンバーで構成されるいわば自治会みたいな組織です。その自治会の世話人役になっていますのが、先ほど申し上げた「家守」の方々ということです。現在13社に御願いしています。この中で具体的な施設運営の様々なことを検討して頂いています。
三つ目の仕組みが、『プラットフォームサービス投資事業有限責任組合』です。これはいわゆるファンドです。今のところはプラットフォームサービスという私の会社に出資をしていただいているだけなんですけれども、今後、また様々な社会的なプロジェクトがここから浮かび上がってくれば、さらに投資をして頂くということがあり得ると思います。
こうした仕組みをベースにプラットフォームとしての空間を作っています。そしてその空間にいろんな方々に集まって頂き、その方々同士で、協働プロジェクトを仕立てて、自分達のまちを楽しくするような様々な取り組みを進める。その取り組みを通じてビジネスが成長・発展し、同時に仲間も増えていく。そうやって自分達自身で自らの仕事を作っていく。そうした自律的な地域のプラットフォームがようやくできつつあるという感じです。




